テーマは世界から見た“戦後80年”。ドイツなどがどう過去の歴史と向き合ってきたのかという視聴者の声を受け、ドイツでは600万人ものユダヤ人が虐殺されたホロコーストにどう向き合ってきたのか、ベルリンの田中顕一支局長が説明。キーワードは「日常の中に歴史を感じる」。例えば、ホロコーストで亡くなったユダヤ人の名前と生年月日が記され、犠牲者が住んでいた家の前の地面に埋め込まれている「つまずきの石」。また、強制収容所にユダヤ人を乗せていった列車が使っていたホームが今も残っている。一方、ドイツでは社会の分断が進み、右派政党「ドイツのための選択肢」が台頭。2017年、この政党の幹部が「首都の中心に“恥の記念碑”を作ったのはドイツ人だけだ」と発言。恥の記念碑と呼んだのはホロコーストの慰霊碑。戦争の反省を否定することをタブー視してきたドイツ社会に大きな衝撃を与えた。さらにドイツの学校ではナチスの鉤十字を書いたりナチス式の敬礼をしたり、移民のバックグラウンドがある同級生を脅かすといった事例が増えているという報告もある。増え続ける移民や社会や価値観が急速に変容していることに反発する人々が増えていることが背景にある。ドイツとポーランドでは、2016年から20年にかけて、研究者らが中等教育向けの歴史教科書を作った。両国の視点を取り入れることでどちらかに偏ったりせず、多様な視点を取り入れている。
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