21日、ニューヨーク市場では、ダウ平均株価が一時1300ドルを超える下落となった。外国為替市場ではドルが売られた他、債券市場では米10年債の利回りが上昇し、トリプル安となった。きっかけは、トランプ大統領の「(FRBのパウエル議長に対し)ミスター・遅すぎる人。金利を引き下げなければ、景気の減速が起こりえる」というSNSへの投稿で、FRBの独立性が脅かされ、金融政策運営が不安定になるという懸念が広がった。トランプ氏はこれまでも利下げを要求しているが、パウエル議長は早期の利下げに慎重な姿勢を示している。パウエル氏は、関税措置によるインフレ・再加速・物価上昇を懸念しており、影響を見極めたいとしている。18日、トランプ政権の高官が、「トランプ大統領がパウエル議長の任期途中での解任を検討している」と明らかにしている。FRBは独立性が重んじられる組織で、議長解任の法的なハードルは高いとされているが、両者の対立は金融市場にとって大きなリスクとなっている。