国の機関である日本学術会議を巡っては4年前、会議側が推薦した会員候補6人を当時の菅総理大臣が任命せず、組織の独立性などを巡って大きな議論となった。その後、有識者らの議論を踏まえ去年12月、政府は、今後は国から切り離し、法人格を持つ独立した組織に改める方針を決めている。こうした方針に対して、ノーベル物理学賞の受賞者で学術会議の前会長を務めた梶田隆章さんなど歴代の会長がきのう会見を開き、政府主導で議論が進んでいるとして、岸田総理大臣に見直しを求める声明を発表した。声明では、“学術会議のあり方を法人化の見通しの中に置くのであれば、日本学術会議の社会的役割が損なわれ、変質をもたらす危惧が極めて大きい”としたうえで、“政府主導の見直しを改め、日本学術会議の独立性及び自主性を尊重し、擁護することを要望する”としている。