去年11月にアルゼンチンの新大統領として就任したミレイ氏についての話題。ミレイ氏は過激な言動からアルゼンチンのトランプ氏とも言われており、これまでもしがらみを切り捨て改革を全面に押し出して大統領に就任した。政府の規制撤廃などで民間主導の経済を実現すると強調している。一度雇うと原則社員として雇い続けなければならない現在の制度が変われば人材の流動化が進むとして起業家からは歓迎の声が上がっている。一方で手厚い保護があった国営企業の間では民営化で人員が削減されるのではないかと不安の声が広がっている。通信社では多くの記者が失職への危機感から労働組合の集会で民営化に抵抗する方針を確認した。ミレイ政権は財政再建を進めるため、これまで食料品に出していた補助金を廃止。アルゼンチンはインフレで経済の落ち込みが続いて、この1年で物価は3.5倍に値上がりするなど世界で最もインフレが進んでいると言われている。不満を爆発させた市民は先月、全国一斉のストライキが行われ、主催者発表で150万人が参加。専門家はミレイ政権が一連の改革を実行できるかどうかは市民の期待が高まっている間に成果が出せるかにかかっているなどと指摘している。