今月9日にかけて行われたヨーロッパ議会選挙で、フランスでは極右政党の国民連合が、マクロン大統領率いる与党連合に対し獲得議席で倍以上の差をつけて大勝する見通しとなった。極右政党「国民連合」を率いるルペン氏は「この偉大な勝利は世界中で国家主義や保護主義が復活しつつある歴史の方向と一致している」と述べた。一方、マクロン大統領は急きょテレビ演説を行い、フランスの議会下院にあたる国民議会を解散し選挙を行うと明らかにした。1回目の投票は今月30日に行われる。マクロン大統領は極右政党の躍進に危機感を示したうえで、「自分たちのため、そして将来の世代のために正しい選択ができると信頼している」と述べ、国民に支持を訴えた。国政選挙で勝利することで国民連合の影響力を抑えたいねらいと見られる。ただフランスメディアからは、選挙までの期間が短く、国民連合などが票を伸ばし大統領の出身母体と異なる政党が議会下院の多数派を握るねじれの状態になる可能性もあるとして、危険な賭けだという指摘が出ている。