アルバイトの時給が記録的な水準になっているという話題について。先月の三大都市圏のアルバイト・パートの平均時給は1186円で、5年前と比べ139円、率にして13%上昇した。業種別ではレジはプラス6%、アパレル販売がプラス5.7%など。調査した会社は、背景には人手不足と最低賃金の引き上げがあると分析している。こうした中で、アルバイトの賃金が正社員を超えたという事例も出てきている。ステーキ店など、国内外で137の店舗を運営する会社を取材。この会社のアルバイトのホールスタッフの時給は1600円以上で、新卒の正社員の賃金を時給で換算した額よりも高い。その理由について、人事の担当者は「店舗が港区や渋谷区など求人募集の激戦区にあり、アルバイトの時給を引き上げざるを得なかった」とコメント。その結果、アルバイトの方が賃金が高いということで去年、正社員6人が社員からアルバイトに転じた。その後、会社は正社員の賃金も上げため、逆転現象は解消されたという。ただ、正社員とアルバイトの両方を上げるのは難しいという声もある。日銀の地域経済に関する報告書で紹介されていた声を紹介。高知のスーパー「アルバイトの人件費が最低賃金の改定で増えたので、正社員のベアを行う余裕がない」。最低賃金を守らないと罰則がある。そのため、アルバイトの賃金を優先して正社員には我慢してもらおうという会社は多いと思われる。大手企業の賃上げ率は1991年以来の高さとなっているが、景気の回復を実感するためには、賃上げの流れを広く波及させることが引き続きの課題となる。