パラ陸上界で車いすの鉄人と呼ばれる伊藤智也はことしのパリパラリンピックでは、61歳で銅メダルを獲得。一度、競技人生を退いていたものの、その後、復帰して獲得したメダルだった。心を動かしたのはある企業家のことばだった。一緒に取り組んだのは、研究者や企業の開発者たち。ベストな競技用車いすを分析するシミュレーターという機器の開発だった。今、この技術を日常生活用の車いす作りに生かす試みを始めている。国立障害者リハビリテーションセンターは障害のある人たちの自立を支援するための研究開発を行う機関。パラアスリートのサポートなども行っている。研究者と企業が共同で開発したシミュレーターという機器を使って分析。シミュレーターを開発した会社のRDS代表・杉原行里さんは世界最高峰のモータースポーツに関わる自動車部品を開発してきた。シミュレーターにこだわるのは選手と開発者たちが情報を共有して課題を見える化するため。伊藤と共にシミュレーターを開発し、研究をし続けること7年、一台の理想的なレーサーにたどりついた。杉原さんはアスリートと積み上げた技術を日常で使う車いす作りにも反映したいと考えている。
開発に関わっている男性は2年前に事故で頚椎を損傷して車いすの生活になった。今は簡易電動の車いすで生活している。ただ、動きやすさや体力の維持のために手動の車いすも使いたいと考えている。男性の希望に設定できる計測用の車いすとローラー台は伊藤選手のシミュレーターで培った技術をもとに作られた。重心の位置や姿勢などを分析して動きやすい設定を探る。計測したデータを反映して車いすを組み立てることができる。北欧の車いすメーカーと共同でニュージーランドでも実証実験を行っている。
開発に関わっている男性は2年前に事故で頚椎を損傷して車いすの生活になった。今は簡易電動の車いすで生活している。ただ、動きやすさや体力の維持のために手動の車いすも使いたいと考えている。男性の希望に設定できる計測用の車いすとローラー台は伊藤選手のシミュレーターで培った技術をもとに作られた。重心の位置や姿勢などを分析して動きやすい設定を探る。計測したデータを反映して車いすを組み立てることができる。北欧の車いすメーカーと共同でニュージーランドでも実証実験を行っている。