英国では、議会で新たな会期が始まるのに合わせて政府の施政方針を元首が読み上げることになっている。17日、チャールズ国王は上下両院の議員を前に、14年ぶりの政権交代で誕生した労働党のスターマー政権の施政方針を読み上げた。この中で、“経済成長の実現が重要な使命だ”と強調し、インフラ施設や住宅の建設、各地の鉄道事業を一括管理する公的機関の新設、光熱費を抑えるため、再生可能エネルギーへの投資や移行を促す公社の立ち上げなどを進めると明らかにした。また、不法入国者をアフリカのルワンダに移送する前政権の政策の代わりに、国境警備の司令部を設けて密航の摘発を強化することや、たばこを購入できる年齢を徐々に引き上げる法案の提出なども表明した。さらに外交ではウクライナへの支援を今後も続けるほか、4年前に離脱したEU(ヨーロッパ連合)との貿易促進に向けた関係の見直し、それにイスラエルとパレスチナの2国家共存による和平の実現に取り組む方針を示した。