連邦最高裁から「違憲」との判断を突きつけられたトランプ大統領。しかしそのトランプ大統領は世界各国に一律で15%の関税を課すと表明した。貿易収支の巨額赤字を理由に世界を振り回してきたトランプ政権の相互関税。10か月前、「きょうこそ待ちに待った『解放の日』だ。2025年4月2日は産業再生の日。わが国が自らの命運と国家の豊かさを取り戻す日として、永久に記憶される」との言葉から始まった。しかし相互関税を使って各国から譲歩を引き出す交渉術に、司法からはNOが突きつけられた。「大統領にはこの法律を根拠として関税を課す権限は与えられていない」とし、アメリカの連邦最高裁は20日、トランプ政権が日本などの貿易相手国に相互関税などを課してきたことについて、「違憲」と判断した。アメリカのシンクタンクによると、今月20日までに少なくとも1600億ドルが「違法に徴収」された計算。全額返金されれば、トランプ政権が見込んだ税収のほぼ4分の3が消滅すると指摘している。すでにワシントンにある貿易を専門とする法律事務所には、世界各国のクライアントから問い合わせが殺到している。ただトランプ政権は早くも次の手を打っている。トランプ大統領は「関税は絶対的な権利だ。巨額の資金が舞い込んでくる。そして5か月の間、公正な関税や単に関税を課すための調査を行う。最後には税収が増えているだろう」と話した。また、この調査の期間は別の法律を根拠に150日間にわたり、一律15%の関税をかけると明らかにした。一方、最大の貿易相手国である中国は、「アメリカが貿易調査などの代替措置を準備し、貿易相手国に対する追加関税を維持しようとしていることも認識している。中国側はこれを注視している。中国側はアメリカに対し、貿易相手国に対する追加関税措置を撤廃するよう強く促す」とした。関税交渉を担い10回以上アメリカに渡った赤沢大臣は、対米投資85兆円の見返りに自動車関税を15%に引き下げ、相互関税は15%に留めることで妥結した経緯がある。高市総理の訪米を来月後半に控える中、政府内からは「日米合意は双方の利益になるという考え方なので、関税が違法だから合意は無効という話にはならない」との声が聞かれる。
