三井住友信託銀行・山下慎司さんのドル円予想レンジは149.60円~150.80円。山下さんは「米経済指標は強弱ミックスの内容。小売売上高が予想を下回ったことを背景にドル安が進んだ。今週初めのCPIが予想を上回ったことによる金利上昇やドル高は記憶に新しく、今晩発表のPPIが市場予想を上回った場合、金利の再度上昇やドル高を予想する」などと述べた。きょうの注目ポイントは『資産効果による若年層の好循環』。山下さんは「ニューヨーク連銀のリサーチを参照したパンデミック前後の資産の推移をみると若年層の資産の増加がパンデミック後に顕著。各世代の金融資産の割合はパンデミック前後で若年層が株などの資産の割合を増やしていることがわかる。昨今の株高の恩恵を受け、金融資産が増加している。消費の推移を見ると若年層の消費の伸びは顕著で金融資産が増加しているだけでなく、株高の恩恵を受けて資産を増加した若年層が消費を増やしているという好循環。本日発表の小売売上高は市場予想を下回ったが、今後も資産効果の恩恵を受けた若年層を中心にアメリカの消費を支えると思う。アメリカのGDPの7割弱を個人消費が占める。資産効果による好循環は米経済指標全体を支える。強い米経済指標を確認した場合、利下げ織り込みのさらなる剥落につながり、米金利上昇を背景としたドル高に警戒」などと述べた。