日産自動車は1933年に創業。初の国産の御料車として昭和天皇が使ったのは日産プリンスロイヤルだった。技術の日産とも呼ばれ、世に送り出したブルーバードやスカイライン、フェアレディZなどは多くの人々のあこがれの的に。しかし1990年代後半、日産は経営危機に陥りカルロス・ゴーン氏に改革を委ねることに。徹底したコストカット、大規模リストラといった経営改革を行う一方で、世界に先駆けて取り組んだのが電気自動車事業。2010年、大量生産型として世界初となるEV「リーフ」を生産開始。EV市場の到来を見込んだものの、発売から5年経ってもEVの普及は1%にも達しなかった。日産はそうした影響で新車の開発が遅れ経営難に。今年4~9月期の決算で営業利益が前年の9割減という異常事態に陥り、先月世界で9000人のリストラを行うと発表。苦境に立たされている日産は8月、ホンダとともにEV生産やソフトウェア開発で協業すると発表。背景には、アメリカ「テスラ」や中国「BYD」など新興メーカーの台頭が著しい状況もあるという。ホンダと日産は中国市場で苦戦を強いられていて、11月までの売り上げ台数は、前年同月比でホンダは-30.7%、日産は-10.5%。