英国を訪問している中谷防衛大臣は、日本時間の午後5時ごろから、ヒーリー国防相と会談している。会談では、日本と英国、イタリアの3か国による次期戦闘機の共同開発を巡り、目標とする10年後2035年の配備に向けた作業工程などについて、意見を交わしているものと見られる。具体的には、先月、共同開発の司令塔となる国際機関が発足したことから、設計や製造にあたる合弁企業の設立時期や契約を交わすタイミングなどについて議論しているものと見られる。次期戦闘機を巡って中谷大臣は、去年10月にも英国、イタリアの国防相と開発の加速化で一致していて、今回の訪問を通じて、10年後の配備に向けた意思統一を図るねらいがあるものと見られる。次期戦闘機の開発を日本が着実に進めたい背景には、中国の存在がある。中国は去年、軍用機が初めて日本の領空を侵犯し、主要な戦闘機は日本の5倍近い1500機を超えていて、政府関係者は急速に脅威が高まっていると危機感をあらわにしている。政府としては次期戦闘機の配備で抑止力を高めるとともに、共同開発を通じて、東アジアの安全保障に対するヨーロッパの関与も強めたい考え。