JR東日本は再来年3月に向けて検討を進めてきた運賃の値上げについて山手線などの切符の初乗り運賃を10円値上げする方針で近く国に対し申請を行う見通しとなった。JR東日本は人口減少が続き将来の利用者の伸びが期待できない中、鉄道事業を安定的に維持する資金を確保する必要があるとして再来年3月の運賃改定を目指している。関係者によると、JR東日本は近く国に対し値上げの申請を行う見通しとなった。普通運賃のほか、通勤通学の定期が対象で比較的距離の短い区間の切符の運賃は10円引き上げ、山手線の初乗りは今の150円から160円となる方向。全体の値上げ幅は10%未満にとどめる方針でこれに合わせて一部の区間で運賃を低く抑えていた今の運賃体系を見直すことも検討している。JR東日本の切符や定期の値上げは首都圏の一部の区間でバリアフリー料金の上乗せを行った去年3月に続いてとなるが、全面的な運賃の値上げは消費税の導入や増税の際を除くと1987年の会社設立以来初めてとなる。会社側の運賃改定の申請を受けたあと国の運輸審議会で認可に向けた審査が行われることになる。鉄道運賃を巡ってはJR北海道やJR九州が値上げをいずれも来年4月に行うなど値上げの動きが相次いでいる。