国内外からおよそ1500社が集結し117のモデルが初披露された北京国際モーターショー。EVで遅れをとっている日本勢やヨーロッパ勢が巻き返しを狙う一方で、先行する中国の国産ブランドは人工知能の活用などいわゆる知能化で付加価値をつけた高級EVで差別化を狙う。中国メーカーが躍進を遂げる中、モーターショーで存在感を示していたのが自動車の部品メーカー。巨大テック企業のファーウェイは米国による制裁で主力の通信事業の先行き不安が増していた2019年に、生き残りをかけて自動車向け事業に参入。今では部品供給のみならず複数のブランドと組んでEVをリリースするまでに事業の拡大を進めている。ドローンのメーカーDJIから派生した「DJIオートモーティブ」が手掛けるのは自動運転のシステム。ドローンの衝突回避技術などで培ったノウハウを応用して自動運転システムを開発。アピールするのは価格で、高速道路と市街地両方での自動運転が可能ながら価格は7000元(15万円弱)。これはライバル製品の数分の1。レーザーセンサーを使わず制御ユニット数を減らすことでコストを抑えている。ローコストな自動運転を開発した背景にはEVシフトが進む中国ならではの変化がある。DJIオートモーティブの自動運転システムは、今年の年末までに中国メーカーのほか、フォルクスワーゲンなど20以上の車種に搭載予定。ガソリン車にも搭載できるため日系メーカーともすでに接触している、とDJIオートモーティブのブランド&マーケティング責任者は話した。