トヨタ自動車が発表した昨年度のグループ全体の決算。営業利益が日本の上場企業で初めて5兆円を超えた。好調な販売と円安による利益の押し上げが要因。決算の発表が本格化する中、ほかの企業でも好調な決算が相次いでいるが、円安については今後の影響を懸念する声も出ている。きょう、昨年度1年間のグループ全体の決算を発表したトヨタ自動車。本業のもうけを示す営業利益は96.4%増えて、5兆3529億円となり、日本の上場企業で初めて5兆円を超えた。要因として挙げられるのが、好調な販売と円安による利益の押し上げ。強みを持つハイブリッド車を中心に販売が好調だったことや、北米やヨーロッパを中心に、車の性能向上に伴う値上げを行ったことなどで、前の年度と比べて2兆円の増益につながったほか、円安の影響で6850億円の利益の押し上げがあったとしている。トヨタ自動車・佐藤恒治社長は「長年のたゆまぬ商品を軸とした経営と積み上げてきた事業基盤が実を結んだ結果だ」と述べた。きょう決算発表を行ったほかの企業からも、円安によって利益が押し上げられたという発言が聞かれた。伊藤忠商事は会見で「連結純利益は8018億円となり、3年連続で8000億円以上を達成できた。円安は総合商社にとってプラスの方向に働く」、三菱重工は「税引き前利益等も過去最高になっている。円安になる方が数字はいったんいい方向にきく」と述べた。