2月下旬、理絵さんは佐賀市にある食品メーカーを訪れた。ここの人気商品であるごまサブレに色落ち海苔を混ぜることが出来ないか提案するためである。高尾社長は「もっと粉末になっていたほうが使いやすい」などと話した。まずは試作品を作ってもらうことになった。理絵さんは「色は悪いが、中身はいい成分が入ってるという認知が広がれば販路拡大につながる」などと話した。今シーズンは収穫した海苔の半分以上が色落ちである。加工しても販売先が決まらなければ廃棄することになる。またある店では自由にふりかけを作ることが出来るように理絵さんが提案しており、客の反応は上々だという。夫の茂樹さんはこの日も色落ち海苔を取っていた。他の漁師が廃棄する色落ちを「ゴールド」と呼ぶ理絵さんに応えている。茂樹さんは「試行錯誤しよるけんが、生活していくためにお互いに頑張っていかないけん」などと話した。3月上旬に再び食品メーカーを訪れた際は8種類の試作品を用意してもらい、そのうちの1つを商品として売るよう奮闘している。