米国大統領選挙までおよそ2か月。先週末、首都ワシントンで開かれていた共和党を支持する女性有権者を集めた集会では、トランプ氏の姿はなかったものの大きな盛り上がりを見せていた。ここのところインフレは落ち着く傾向がみられるものの物価は高止まりしている米国。経済政策のかじ取りで厳しい評価を受けていたバイデン大統領への不満は今、政権の一員であるハリス氏に向けられている。米国の各種世論調査でも経済や雇用政策の支持率はトランプ氏がハリス氏を上回る結果が、有権者のインフレへの不満が残る中、ハリス氏も手をこまねいているわけではない。中間層の支援に向け、食料品価格のつり上げの禁止や初めて住宅を購入する人への頭金の支援など新たな経済政策を打ち出した。しかし、元IMF高官・デズモンドラックマン氏は、ハリス氏が仮に大統領に就任しこの政策の実現に踏み切った場合には、インフレ、ドル危機、財政赤字の問題が生じるという。ハリス氏は経済政策の発表以来、各地の遊説などで政策の財源など詳細について多くを語らない戦略を取っている。