京都錦小路の青物問屋に生まれた伊藤若冲は23歳で家督を継いだ。しかし商いには興味がもてず、仏門に消え錦小路にあった屋敷で、隠遁しながら絵師の道へ。庭に放った鶏を一年間見つめ続けたが生き物には神気が宿っていると信じていた。そしてようやく写生を始めると、掴んだ神気を表現しようと模索した。その集大成が群鶏図で、画面いっぱいに蠢く鶏たちは動き出さんばかりに迫真の描写。若冲は独特の色彩感覚と魔術的な技法で、めまいを覚えるほどの世界を作った。
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