森田さんは「長期金利が下がってきたということで金利差が縮小している。150円から140円近くまで下がった。かなり転換というイメージがある。日米の長期金利スプレッドが0.5%動くと為替は10円程度円高になるという関係。2021年以前の関係と2022年の関係は違っている。金利差だけで為替が説明できるものでもない。金利差も重要だが根にあるのは実需を含めた受給。貿易収支、直接投資が為替の取引を伴う実需。2022年は資源高で貿易赤字が膨らみ円安を示した。今年は資源高が弱まり実需ラインが円高方向に動いていた。金利差だけではなく円高を促す要因としてあるという認識が必要」などと述べた。対外証券投資は今年増えている。これが円安方向に押し上げていた。対外証券投資は全てがドル買いにつながるわけではない。外債投資や外株投資を為替オープンでやるのは年金。フツヘッジで投資するのは銀行、生保や投資信託はヘッジしたりしなかったり。全体としての対外証券投資は増えている。為替ヘッジが大きい。そんなに円安になるはずはないと見える。為替ヘッジして対外投資する投資家は為替オープンで投資をしていたのではないかと推測される。為替オープンで投資するということは為替が安定していることへの期待、ドル高への期待も含めて安定していること。金利差があること。こういった条件がそろっていた。今は環境が変わってきている。来年にかけて実需のトレンドに引っ張られるので方向としては円高方向と予測すべきだと思う。実需でいえば直接投資増加のトレンド転換、再度の資源高、世界経済失速による輸出急減などが起きなければ1ドル130円台程度の為替水準になる」などと述べた。