対ドルでの円相場が37年半ぶりの安値をつける中、政府が円買い介入の条件とする過度な変動の解釈をめぐって市場の読み合いが活発になっている。鈴木財務大臣がかねて具体的な防衛ラインはないと語り介入は過度な変動への対応との認識を示す中、値幅はその定義を満たしつつある。介入の実務を担う神田財務官は去年10月、年初来でドル円相場が20円以上の値幅があるのも一つの要素と述べた。さらに一方向に一方的な動きが積み重なって一定期間に非常に大きな動きがあった場合は過度な変動に当たり得るとしていて、現在のような緩やかな円安でも累計で大きな値幅になれば介入の選択肢を排除しない宣言ともとれる。今年の下落幅は20円に達し円買い介入への警戒感が高まっている。(日経電子版)