日銀・植田総裁のさらなる利上げ示唆について、経済アナリスト・馬渕磨理子さんが解説。米国では今非常に重要な会議 ジャクソンホール会議が開催されている。主要国の中央銀行総裁などがざっくばらんに議論を交わすことが有名で本音も出やすいといわれている。日本は利上げにかじを切り政策を大きく転換しているので、本来であれば日銀のスタンスを国際的な場所で表明するよい機会だったが植田総裁は閉会中審査に出席するためこちらを欠席している。ここに日銀トップ不在この機会損失は大きいかもしれない。株や為替の乱高下が今続いているがこれは日銀の利上げだけが要因ではなく、米国の景気後退懸念も重なったため。しかし今、国民が知りたいことは、日銀が何を基準に物事を考えていて今後、どんなアクションを取りうるのか、閉会中審査で特に深く掘り下げてもらいたかったのはGDPギャップが今マイナスであること、それに加えて、所得から税金や社会保障費を引いた可処分所得、つまり本当に使える家庭のお金が今減少している。こうした中でなぜ利上げをしたのか、さらには実質賃金は今、プラスに浮上したが、これは一時的である可能性があってこうした中で利上げを継続的に行うことは経済学のロジックからは逸脱してはいないのか。