東京・練馬区の幹線道路を約200基の墓が塞ぎ問題になっている。放射第7号線は、18年前に東京都が整備を開始したもののいまだ工事が完了していない道路で、東京・千代田区から延伸し将来は埼玉・狭山市までつながる予定。しかし、練馬区の約2キロの区間で墓の立ち退きが進まずいまだ開通できていない。ほぼ整備は完了していて、あとは開通するだけ。道路の完成を見越して、すでに開店している店もある。並行する道路は道幅が狭く、夕方に鳴ると渋滞が起きる。2006年に国の認可を得て用地買収の交渉が始まり、開通していない区間で約200軒が立ち退いた。そのうちの1軒、吉田さん家族に話を聞いたところ、「車がビュンビュン走っていれば(昔の思い出も)忘れるものだが、なんのために立ち退いたのか」と話す。東京都は部分的な開通を検討しているが、いまだ全面開通のメドはたたない。墓を管理するのは、500年以上前に開かれた周辺住民のぼだい寺・日蓮宗善行寺。住職は、約70基の墓を残して移転できないとしている。