財務大臣の諮問機関は長期金利の上昇で金利のある世界が現実になっているとして国債の利払い費が増えるリスクを意識し基礎的財政収支の一定の黒字幅を確保するなど中長期的に財政の強じん化を図っていくべきだという提言をまとめた。財政制度等審議会はきょうの会合で政府のことしの骨太の方針に向け財政運営などに関する提言をまとめ十倉雅和会長が鈴木財務大臣に手渡した。提言の中では「長期金利は1%近い水準まで上昇し、金利のある世界はすでに現実のものになっている」と指摘した。そのうえで「巨額の債務残高を抱えるわが国は諸外国以上に金利上昇に伴う利払い費の増加リスクを意識し、節度ある財政運営にあたるべきだ」としている。さらに大規模地震や新たな感染症の拡大といった有事の際に備えて財政上の余力を確保するためにも基礎的財政収支の一定の黒字幅を確保し、債務残高のGDP(国内総生産)に対する割合を安定的に引き下げるなど中長期的に財政の強じん化を図っていくべきだとしている。財政制度等審議会・増田寛也分科会長代理は「とくに金利の上昇局面にあるこの時期こそ、いっそう財務当局は緊張感持って取り組んでほしい」とコメント。