第4種踏切は全国の鉄道に数多く残っている。高崎市で去年起きた事故現場から数キロほどのところにある第4種踏切でも子どもたちが多く通ることから危険性が指摘されている。上信電鉄にある第4種踏切は250メートル先には多くの市民が訪れる公園がある。この踏切も自治体が鉄道会社を資金的に支援することで来年度、遮断機と警報機がある第1種踏切になる見通しだ。女の子が亡くなった事故を受けて群馬県や高崎市は第4種踏切を第1種に切り替えるなどの動きを加速させようとしている。一方、第1種化するには多額の費用がかかるほか維持管理のための鉄道会社の人手が不足している現状がある。群馬県の隣、埼玉県を走る秩父鉄道では第4種踏切が80か所残っているがこれ以上、遮断機や警報機を増やすとメンテナンスが追いつかなくなる。こうした中、秩父鉄道では緊急の対策を進めた。ある第4種踏切は人が近づくと感知して音声で安全確認を促す装置をすべての第4種踏切に設置した。第4種踏切が解消されるまでの安全対策をさらに強化できないか、国土交通省が所管する独立行政法人が研究を進めている。列車の位置をGPSで測定して踏切につけられた装置に無線で送る。一定の距離に近づくととまれという表示と音で歩行者に列車の接近を知らせる。設置のコストは数十万円と最大3000万円ほどかかる第1種踏切より大幅に安く点検や部品の交換もスムーズだ。同じように第4種踏切の廃止を進めている京都丹後鉄道の協力のもと、ことし1月下旬、乗客を乗せた状態で実証実験が行われた。実験では列車の接近に合わせて踏切に注意を促す表示が正しく表示された。日本大学の綱島均特任教授も危険な踏切が解消されるまでの間の安全性をどう確保していくかが課題だと指摘する。女の子が亡くなった事故からまもなく1年、悲惨な事故を繰り返さないためにどう一歩を進めるのか。対策の前進が求められている。