アサヒビールマーケティング本部担当課長・鬼頭宏幸さんはアルコールに対する若者の考え方を探り新商品につなげようとしている。会社は2年前、渋谷センター街に若者向けのバーを初めてオープンした。お店の売りはノンアル飲料。そしてアルコール度数の低い低アル飲料。お店の看板メニューは大学生にアイデアを募集して開発したカクテル。更に店では定期的に学生が主体となったイベントも企画。多くの若者に集まってもらいお酒に対する考えを聞き取ろうとしている。更に大学のゼミとも連携し新しいノンアル飲料の商品化を目指している。学生グループが提案したのは持ち手がついたフルーティーな低アルコールの缶ビール。ビールが苦手だけれど初めの乾杯はしたいという学生のニーズを捉えようとするもの。お酒の飲み方について国は今年初めてガイドラインを公表した。一定のアルコール量を超えると生活習慣病などのリスクが高まるとして適切な飲酒量の指標を示した。こうした動きを受けて大手ビールメーカーでは今年から新しい取り組みも始めている。適切なお酒の飲み方を啓発するResponsible Drinking部という部署を立ち上げた。日々の飲酒量を記録して可視化するアプリを開発。過剰なアルコール摂取を抑えるアドバイスを行う。更にアルコールの健康被害に詳しい専門家と共に過剰な飲酒を減らす方策も議論している。これまで社会人や学生を対象にセミナーを実施。お酒の量を減らしノンアル飲料に切り替えるなど適切な飲み方を呼びかけている。