「肱川あらし」は、上流で発生した霧が風に乗って肱川をくだるように海に流れ込む珍しい自然現象で、よく晴れた冷え込みの強い日に見られることが多く、秋から冬にかけての愛媛県の風物詩になっている。大洲市や地元の住民で作る団体「肱川あらし実行委員会」は、けさ7時ごろ市内を流れる肱川の河口にある長浜大橋付近で、強く冷たい風に乗って海へと流れる霧が確認されたとして、今シーズン初めて「肱川あらし」が観測されたと発表した。肱川あらしの初観測は、去年より約1か月遅く、実行委員会が観測を始めた平成10年以降、最も遅くなった。この理由について肱川あらし実行委員会は「ことしは猛暑が続き、秋以降も最低気温が下がらなかったことが影響しているのではないか」としたうえで、「これからさらに寒くなるとより規模の大きな『肱川あらし』が発生しやすくなるので、ぜひ現地で見てほしい」と話している。肱川あらしは条件がよければ来年2月ごろまで見られるという。