岸田総理大臣は、フランスやブラジルなど3か国を訪問するため日本を出発した。岸田総理は生成AIや脱炭素など国際社会が直面している新たな課題への対応をめぐり、議論をリードしたい考え。日本は今年、OECDへの加盟60周年を迎え閣僚理事会の議長国を務める。パリで開かれる閣僚理事会で、安倍元総理以来、日本の総理として10年ぶりに演説する岸田総理は、利便性の半面で偽情報の拡散などリスクも抱える生成AIの国際的なルールつくりに向けたメッセージを発信する見通し。その後、総理就任後はじめての南米訪問となるブラジルとパラグアイには日本企業の幹部も同行させる。ブラジルとの首脳会談では過度な中国依存からの脱却を念頭に、EV向けの欠かせない重要鉱物のサプライチェーン構築をはじめとした関係強化を確認する見通し。中国が覇権主義的な動きを強めるなか、岸田総理としてはOECD閣僚理事会や南米訪問を通じてグローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国の国々と連携する重要性を訴えていく方針。