現役の高校教師が上司である校長に対し、給料から天引きされていたPTA会費を返すよう求める異例の裁判が進んでいる。PTAの会費を返してほしいと訴えたのは、鹿児島市にある県立高校に勤める40代の男性教師。同意のないまま、給与からPTA会費が天引きされていたとして、当時のPTA会長や校長を相手取り、6年分の会費1万6560円の返還を求める裁判を起こしている。PTAとはParent Teacher Associationのことだ。保護者と居職員が学校、地域と連携し、子供たちのために活動するもの。PTAは任意の社会教育団体だ。PTA側は、給与明細を受け取り、内容を認識しつつも、異議がある旨の意思表示をしなかったとして、訴えの棄却を求めている。今年長男が小学校に入学した30代の男性は、PTAに加入しない意思を学校に伝達した。男性は加入した覚えがないまま半年以上がたった。先月になって退会届の提出を要求する手紙が届いたという。退会届けを樹里するまでは退会にならない、退会すると式典での記念品はなし、行事に参加できないという内容だった。その後、学校側から「記念品は全児童に配布する」と連絡があったという。PTAには半ば強制的に加入させられる。日本の社会は建前は自主参加だが、実質的には参加が前提となる。本人の意思は確認していない。