上空を見つめる首脳たち。視線の先には各国の国旗。イタリアで開かれているG7プーリアサミット。2日目のきょうは、インド太平洋経済安全保障、そしてAIの活用や規制などをテーマに議論が続いている。世界の課題解決に向け存在感を示せるかが問われているG7。初日はウクライナに対し、およそ500億ドルの支援を行うことで合意した。日本時間の昨夜、G7サミットの会場に到着したゼレンスキー大統領。そのゼレンスキー大統領も参加して行われた、ウクライナ情勢のセッション。制裁で凍結したロシア中央銀行の資産で得られる収益を活用して、およそ500億ドル、日本円にしておよそ7兆8000億円をウクライナへの支援に充てることで合意。支援はことし中に始まり、軍事や人道支援、復興などの分野に充てられるとしている。またゼレンスキー大統領はバイデン大統領との共同会見にも臨んだ。今後10年にわたりウクライナの安全を確保するための2国間の協定に署名した。協定の有効期間は10年間と長期にわたり、ウクライナ軍の強化や兵器生産能力の拡大への支援をしていくとしている。ただ協定には、いずれの当事者も書面による通知によって本協定を終了することができるとの文言も入っている。秋の米国大統領選挙で、ウクライナ支援に消極的なトランプ氏が返り咲いた場合、協定を破棄することは可能だと、米国メディアは伝えている。日本の岸田総理大臣もゼレンスキー大統領と会談し、新たな2国間の協力文書を交わした。憲法の制約を踏まえ殺傷性のない防衛装備の提供を行うほか、地雷の除去などの復旧復興支援を続けていくことなどが盛り込まれている。一方、ロシアのプーチン大統領は外交官らを前に演説。ロシアが一方的に併合したウクライナの4つの州から、ウクライナ軍が完全に撤退すれば和平交渉を始める用意があると主張した。ウクライナや欧米側を揺さぶるねらいと見られる。G7プーリアサミット。2日目のきょうは、中国によるEV電気自動車などの過剰生産問題が焦点に。また、AI人工知能の活用や規制に関する議論も予定されている。