これまでこのシリーズではお墓について多くの投稿を頂いた。その中でお墓を片づける墓じまいを考えたものの家族と意見が合わないなど大きな悩みを抱えているという声があった。声を寄せてくれた稲田孝史は横浜市で木工製品の職人として働いている。稲田の先祖代々の墓があるのは父親のふるさとでもある愛媛県。奈良県に住む父親は就職を機にふるさとを離れたあとも墓の管理を担ってきた。ところが5年ほど前、父親の体調が悪化し、稲田は父親に代わって愛媛県まで通うようになった。しかし遠方に墓参りに出向く負担は大きく稲田は父親に墓じまいをしようと相談した。すると父親から自分が住む奈良に墓を移して世話をしたいと言われ戸惑った。1年にわたる話合いの末に家族の気持ちはまとまり、墓じまいをして永代供養することにした。永代供養は費用を支払うと寺院や霊園が一定期間、管理や供養を担ってくれるもの。しかし、いざ実行に移そうとすると先祖の多くが土葬されていることが判明。寺の住職から遺骨を掘り出すのは簡単ではないと言われた。