1973年12月13日、愛知県の信用金庫で「信金がつぶれるらしい」と噂を聞いた人たちが預金の解約に殺到した。これは経営状態に問題はなく完全なデマだった。騒動2日目、信金は沈静化させるため不安な人には常務理事から説明すると貼り紙をしたがより不安を煽ることになった。払い戻しを1万円単位に限定すると「1万円未満は切り捨てになるらしい」「やっぱり危ない」、元金のみの払い戻しにすると「利子を払えないのは経営がおかしいからだ」と誤解された。悪意ある人間のデマかもしれないと警察も出動し、発信源を突き止めることになった。クリーニング店、美容師、客の主婦とたどり、信金から内定をもらっている高校生の姪っ子までたどり着いた。姪っ子の女子高校生は友人から信金は危ないと聞いたことを主婦に話していたという。