三年前に大切な出会いがあった。航一さんは、宮津家に来る前の自分を探し求めていた。慈恵病院で赤ちゃんポストを見た。ポストの扉は大きな役割を果たしているという。慈恵病院の蓮田健院長と面会した。記録にはゆりかごの上に座った状態できょとんとした様子だったとのこと。表情はおだやかで時折笑顔を見せていたとのこと。人見知りしない、話しかけるとよく答えるという。けれど言葉はまだ不明瞭。記憶にない自分の時間が写真の中にあった。卒業を機に実名でテレビに出ることを決めた航一さん。新たな出発にしたいと考えた。メッセージがたくさん寄せられた。応援のメッセージが多かった。大学入学の朝、ネクタイを結んだ。実母の十回忌に植えた桜が、花を咲かせた。子供たちのために何かするために大学でたくさん学びたいという。生い立ちを後悔していないという。すべての子供たちが幸せに不自由なく生活できる社会にしたいという。