トランプ大統領の就任からまもなく3か月。政策の転換を次々と実行に移す中で政府効率化省のイーロン・マスク氏への反発が強まっている。5日に全米各地で開催されたトランプ政権に関する抗議活動に参加した人々の中からもマスク氏に対して辛辣な声が上がった。政府効率化省を率いるマスク氏は政府の支出削減目標として1兆ドルを掲げている。民間の視点を活かし前例のない行財政改革を実行する姿には期待の声があがっていた。マスク氏が最初に着手したのが対外支援を行うUSAIDの閉鎖。2月、本部の閉鎖が突然職員に通告された。USAIDの元職員らは現在、政府機関の解体・縮小に反対するよう呼びかけるため連邦議会の議員事務所に毎週通っているという。マスク氏の強い影響力もあり、与党議員の多数は鈍い反応をするが、政府機関の縮小について法的に問題があると指摘する共和党関係者もいる。かつてUSAIDの最高顧問も務めたジョン・ガードナー氏はマスク氏が法的に必要な手続きを一切踏まなかったとしてあらゆる機関の解体・縮小は法廷闘争になるだろうと語った。今、マスク氏に反発する人々によるテスラの不買運動が全米に拡大している。抗議活動は過激化し、テスラ車に対する放火などの事件が続発。一時、テスラの株価が過去最高だった4か月前の半分以下に下がるなど影響は続いている。