教員の働き方改革や処遇改善について議論してきた国の審議会。中教審(中央教育審議会)特別部会・貞広斎子部会長はきょう夕方、盛山文部科学大臣に審議結果を手渡した。貞広部会長は「これらの施策が実現してこそ、先生が生き生きと働き、子どもたちに教育していける着実な実現をお願いしたい」、盛山文部科学相は「教師を取り巻く環境は、文部科学省にとっても最重要課題の1つ。全力で取り組んでいきたい」と語った。きょうまとめた審議結果。まずは処遇の改善。公立学校の教員の給与について、残業代を支払わない代わりに支給されている上乗せ分を、月給の4%から少なくとも10%以上に引き上げるべきとしている。これには給特法という法律の改正が必要で、実現すれば半世紀ぶりの引き上げ。一方、「定額働かせ放題」ともいわれてきた勤務時間に応じた残業代が支払われない枠組みは残る。教員などから、長時間労働の抑制につながらないという声も上がっていた。教員の健康確保策として新たに盛り込まれたのが、11時間を目安とした勤務間インターバルの導入。今回の審議のまとめでは、このインターバルを守るため、自宅への業務の持ち帰りを避けることも求めている。今回の提言、学校現場はどう受け止めたのか。東京都内の小学校を取材。教員の負担軽減のため、休み時間の見守りに保護者に加わってもらうなど取り組みを進めてきた。ただ長時間労働の解消は容易ではないという。きょうも午前7時ごろには出勤し、授業に向けた準備を進める。夜9時ごろに退勤する教員もいて、勤務間インターバルを11時間取れていない状況があるという。教員の働き方改革に詳しい東京大学・小川正人名誉教授は「11時間、勤務間インターバルは、(最大で)月100時間の時間外労働勤務を容認するもの。大きな効果を生むかどうかは、雹かは慎重にならざるを得ない。減らした分の勤務を担う代替の先制を増やさないと前に進めることは難しい」と述べた。