通信制には課題も多いと文部科学省は指摘している。その1つが教育の質の確保。通信制高校は都道府県をまたいでキャンパスがある学校も多く本部がある都道府県が指導監督をすることになっている。しかし遠方にあるキャンパスの実態をチェックすることが難しいとしている。今回紹介したのとは別の学校では過去に「買い物をしてお釣りの計算をしただけで数学の履修としていた。テストが数分で解き終わるような簡単すぎる内容だった。教員免許がない人が添削や対面での指導をしていた」などのケースがあったということ。こうしたことから文部科学省では通信制に関するガイドラインや設置基準を設けるなど対策を進めている。また、卒業生の進路未定者の割合が高いことも課題。全日制では4%余りなのに対し、通信制は30%を超えている。専門家、早稲田大学人間科学部・森田裕介教授は増加した通信制高校を客観的に評価する仕組みが必要と指摘する。