物価高対策が参院選の争点となっているが、現金給付か消費税の減税かで与野党の主張が割れている。与党側の自民党と公明党は1人あたり1律2万円、子どもと住民税非課税世帯の大人には4万円の現金給付を訴えている。多くの野党が訴える消費税の減税については、何を対象とするかで主張が異なっている。食料品に限って消費税を0%に引き下げると訴えているのが立憲民主党と日本維新の会、日本保守党、社民党の4党。立憲民主党は原則1年、日本維新の会は2年間引き下げるとしている。国民民主党と共産党は一律で5%に引き下げると訴えており、れいわ新選組と参政党は消費税自体の廃止を目指している。また立憲民主党とれいわ新選組は、減税が実現するまでの措置として現金給付も掲げている。現金給付には、消費税の減税に比べれば早く実施できるというメリットがある。石破総理も「今年中には行き渡るようにする」と街頭演説で訴えている。しかし現金給付には一部が貯蓄に回ってしまうというデメリットがある。新型コロナの感染拡大を受けた2020年の特別定額給付金では、内閣府が公表した分析では消費に使われたのは2割程度で、8割近くが貯蓄に回ったとされている。これに対し消費税の減税は消費の拡大につながり、経済効果が大きいと考えられている。その一方で法改正の他レジのシステム改修なども必要で、開始時期は早くても来年4月以降になるとみられている。また消費税は社会保障の財源となっているため、代わりの財源を確保する必要もある。また「1度下げた税率を元に戻すのは非常に難しい」とも指摘されている。
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