アニメ映画「屋根裏のラジャー」はある少女の空想の中に存在する少年のラジャーが人間に忘れられると消えてしまうという運命に向き合い仲間達と冒険するファンタジー作品だった。制作したのはスタジオポノックで宮崎駿監督が長編アニメ制作からの引退を宣言した後、スタジオジブリが制作部門を一時的に解散した事を受けて8年前に設立。制作の様子をNHKは密着取材し世界的にCGで作られたアニメが増えてく中でこだわったのは1本1本の線だった。キャラクターや背景を描いていく手描きの技術は約500人のスタッフが集まり作画枚数は10万枚以上に上ったという。フランスの会社が開発したデジタル処理でキャラクターの表情に陰影を施すなどが出来る技術は色の強さや鮮やかさなどに応じ細かな影が作る事が出来る。これまでの手法では陰影を付けるのに30枚から50枚の絵を重ねる必要があり膨大な時間が掛かっていた。デジタル処理を使う事で表現が難しかったキャラクターの喜びや悲しみなどを描き出す事に挑戦している。西村義明プロデューサーは今回の作品で手描きアニメの表現の幅が広がるのでは無いかと期待している。