「ひ門」は、大雨で川の水が用水路などを逆流するのを防ぐため堤防に設けられた施設で、県が現場で操作する人の安全などに配慮して今後、自動化を進めていく考えを6月議会で明らかにしている。県内には、県が管理する「ひ門」や水門が計913か所あるが、このうち何か所が自動化されているのかを県も把握していなかった。県によると、NHKの求めに応じて確認を進めた結果、人が現場で操作しなくても水圧で自動的に開閉する構造になっている施設は全体の38.3%に留まることが分かったという。また、NHKが九州・沖縄の各県に取材したところ、自動化された「ひ門」などの割合は長崎県が72.5%で最も高く、次いで大分県が66%、宮崎県は下から2番目の低さだった。東京大学大学院総合防災情報研究センターの松尾一郎客員教授は「河川が速く流れるから、人の手で人為的に操作することは非常に困難」などと話し、河野知事は「実態まで把握できなかった状況を反省しながら必要に応じて自動化を図っていく」などと話した。