野村證券・後藤さんのドル円予想レンジは149.80円~150.80円。後藤さんは「明日のパウエル議長議会証言や金曜日の米雇用統計のイベントを控えてドル円は150円台と堅調に推移。ISMサービス業や全人代、スーパー・チューズデーなど海外で重要イベントが多く予定されている。東京都区部CPIも発表される。CPIが再加速する公算が大きく日銀3月会合に向けた政策修正期待が高まることで円は支えられやすくなる」などと述べた。注目ポイント「貿易収支改善と円受給」。後藤さんは「年明け以降も米日金利差拡大を受けた円安ドル高圧力が根強いが、中長期的な観点では日本の貿易収支改善が円売りに傾いていた円需給を変化させている可能性は注目。1月の貿易収支は2353億円の黒字と2021年5月以来初の黒字。足元ではエネルギー関連収支は2兆円以上の赤字が続く一方、エネルギーを除く収支の改善が顕著で月間で2.5兆円近い黒字とリーマン・ショック以来、最大の黒字。円安による日本の対外収支への好影響が顕在化してきた。貿易収支の変化をみると、交易条件改善の影響も大きい。日本企業が輸出時の価格を引き上げることで貿易収支の改善がもたらされている。日経平均が史上最高値まで上昇した背後にも企業が価格転嫁を進めている影響がある。円安効果は旅行収支黒字の急拡大にもあらわれている。貿易収支の改善も明確になり需給改善が円安の行き過ぎを是正するフェーズへと移行しつつある」などと述べた。