東京外国為替市場では1ドル156円台前半からじりじりと円安が進み、神経質な取り引きが続いた。29日、為替が急激に円高方向に転じたが、市場関係者の間では「政府・日銀が“覆面介入”を行ったのではないか」という見方が強まっている。ただ、財務省の神田財務官は言及を避けた。アメリカでは30日から連邦準備制度理事会の金融政策を決める会合が始まる。パウエル議長が利下げに慎重な発言をすれば、一段と円安が進みかねない状況となっている。元日銀理事の早川英男氏は日本の国力低下を指摘し、「モノ・人への投資を増やし、競争力を高める方向にかじを切っていかないと力がついてこない。日本経済が強くなることで、それを反映する形で円高というのが一番望ましい」と語った。