ドイツ・ベルリンでは世界最大の鉄道技術の見本市「イノトランス」が開かれている。59の国と地域から2900以上の企業や団体が参加し来場者は過去最多となる見通し。テーマにAI(人工知能)の活用を掲げている。日立は高速鉄道の新型モデルを展示。フレッチャロッサミッレの愛称で呼ばれる日立の新型モデル「ETR1000」。最高速度は時速360キロとヨーロッパでは最速でイタリアの鉄道会社に再来年の納入を目指して製造が進められている。車内は長時間の移動でも快適に過ごせる工夫が随所に凝らされている。また、車体や内装の97%はリサイクル可能な素材。日立が最近、力を入れているのがAIの活用。例えば、車内のカメラとAIを連携させることで落とし物や不審物を検知。人手をかけずにサービスの向上やトラブルの発見につなげたい狙い。さらに日立は米国の半導体大手エヌビディアとの提携を発表した。AIを活用し、車両や線路など保守作業を効率化するシステムの開発に共同で取り組む。客を乗せた列車が日本の新幹線の検査車両ドクターイエローのような役割を果たす。すでにイタリアや英国での実証実験でコスト削減などの効果が出ているという。日立は鉄道分野にAIを活用して事業の拡大を目指す考え。