厚生労働省によると基本給や残業代・ボーナスなどを合わせた働く人1人当たりの現金給与の総額は月の平均で「33万2533円」と前年度と比べて1.3%増え、3年連続でプラスになった。内訳では前年度と比べてフルタイムが1.7%増え43万8696円、パートタイムが2.4%増え10万5989円となった。いずれも平成5年度に統計を取り始めてから最も高くなっている。一方で物価の高騰が続いたため、その変動分を反映した実質賃金は前年度と比べて2.2%減少した。実質賃金が前年度を下回るのは2年連続である。今年の春闘では平均の賃上げ率が5%を超えるなど高い水準となっていて実質賃金がいつプラスに転じるかが焦点となっている。厚生労働省は「今年の春闘では大企業だけでなく中小企業でも力強い賃上げが行われているので、現金給与が今後どれだけ上がるかに期待するとともに、物価の動向も注視していきたい」としている。