東京・千代田区の昭和館の戦後80年特別企画展「社会を映す、動かす-ポスターにあらわれる国際宣伝の姿-」では1937年の日中戦争から太平洋戦争にかけて制作されたポスターが展示されている。近現代史研究家・辻田真佐憲氏によると、日本がまだ比較的余裕があったころの満州事変以降、日中戦争中のポスターは色も鮮やかで図案も凝っている。政府から押し付けた面もあるが、プロパガンダは一般の人が嫌になってしまったら意味がない。人気の図案家に作ってもらえば、人々も娯楽として楽しんでもらえる。図案家も戦時中で仕事がなくなっていたが、そういう図案を作ればもうかり、一般の人々もそれを見て楽しむことができた。こうしたポスターの中で辻田氏が特に関心を寄せるのは民間企業によるプロパガンダ。市販薬のポスターに戦車が大きく描かれていて、戦車が強力である敵をどんどん撃破しているという効果と薬品の効果を重ねている。辻田氏はプロパガンダは上からの統制と民間、国民からの草の根的な参加によって生まれると指摘する。当時の空気感を伝えるものにおもちゃがある。
住所: 東京都千代田区九段南1-6-1
URL: http://www.showakan.go.jp/
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