北朝鮮はことしも短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルなどを相次いで発射。多様なミサイル開発を進めている。北朝鮮に対する制裁の実施状況を調査してきたのが、国連安保理の専門家パネル。2009年に設置され、常任理事国や日本などから8人の専門家が参加してきた。これまでに、北朝鮮が海上で積み荷を移す瀬どりや、違法なサイバー攻撃で、資金や資源を獲得していた実態を明らかにしてきた。最新の報告書では、ことし1月、ウクライナ東部に着弾したミサイルが、北朝鮮の弾道ミサイル火星11型と同じ系統だと結論づけ、制裁決議に違反して、ロシアが北朝鮮から武器を調達した可能性も指摘した。しかし、日本が議長国を務めた先月の安保理で専門家パネルの任期を延長する決議案がロシアの拒否権によって否決。30日で活動が停止となる。専門家パネル元メンバー・竹内舞子氏は「ロシアにとっても今は北朝鮮が必要な国になった」、今後、制裁違反が増えることへの懸念を示したうえで「顧客管理、商売相手への情報収集に力を入れていく必要がある」などとコメント。