松本サリン事件でオウム真理教の関与を特定するに至った警察による極秘捜査を当時の捜査員が証言。長野・松本市の住宅地で発生した松本サリン事件。オウム真理教が噴霧した神経ガス、サリンにより8人が死亡し重軽傷者は約600人に上った。神経ガスの正体が判明したのは事件発生から6日後。長野県警の元捜査員の男性は理系の大学出身で当時、捜査班のメンバーとしてサリンの生成に必要な薬品の入手経路などを突き止めオウム真理教に迫った。全国の薬品会社や大学の研究室などを回り販路をたどると不審な人物と会社が浮上。たどり着いたのは東京・世田谷区にあったオウム真理教の道場だった。教団への捜査を隠すため長野県警は極秘に進めた。オウム真理教が4つのダミー会社を通じてサリンを作るための薬品を大量に購入していたことが判明。しかし強制捜査は行えなかった。翌年の3月に地下鉄サリン事件が発生。ただ長野県警がオウム真理教にたどり着いていたことから警視庁との合同捜査で実行犯の特定につながった。教団は70トンのサリンを作る計画だった。