小澤征爾 享年88。ボストン交響楽団や、小澤ゆかりの地、長野・松本市でも追悼がおこなわれた。1935年に旧満州に生まれた小澤は5歳の時に日本に帰国。指を骨折したことをきっかけに指揮者を目指した小澤は23歳で単身渡欧。ブザンソン国際指揮者コンクールに出場した。1次審査は「初めて組むオーケストラのメンバーをわずか8分の練習時間で指揮しまとめられるか」。小澤は観客だけでなくオーケストラメンバーからも喝采をうけたという。2次審査は12か所の譜面の間違いを見つけるというもの。すべてを正解した小澤はコンクール史上、初の日本人優勝者となった。38歳で全米5大オーケストラのひとつ、ボストン交響楽団の音楽監督に就任した。小澤と共演したトロンボーン奏者・コリン氏はオペラの楽譜を完全暗記して指揮したエピソードを語った。さらに「長野でコンサートをする時は盛大な蕎麦パーティーがあってスタッフや地元住民が手作りで蕎麦を作る。セイジはみんなのところを回り、みんなの蕎麦を食べて回る」などと、人間味溢れる小澤の行動にも感動させられたと振り返った。