連日激闘が続いている夏の甲子園。中でもきのうベスト4進出となった県立岐阜商業高校。左手にハンディがある横山選手がスーパープレイを見せるなど大活躍。その感動の裏側に迫る。夏の甲子園準々決勝第3試合。県立岐阜商業が劇的なサヨナラヒットで、今年春のセンバツ王者・優勝候補ナンバー1の横浜高校を下し、16年ぶりのベスト4進出を決めた。快進撃を続ける県立岐阜商業。とりわけ注目されている選手がいる。3年生の外野手・横山温大選手。生まれつき左手の人差し指から小指までがない。それでも甲子園の初戦では劣勢の中、大きなチャンスを呼び込む同点タイムリーを放ち、逆転勝利へ導くと、4試合連続でヒットを放つなど活躍を見せている。野球をやっていた兄や姉に憧れ、幼い頃から自然とバットを振るようになった横山選手。元々は「右打ち」だったが、右打席だと重いバットが振り抜けないという理由から「左打ち」に転向したという。他の選手に負けないよう、独自のスタイルを築こうと努力を重ねてきた。春夏合わせて4度の全国大会優勝を誇る強豪校において、今年の春、初めてベンチ入りを果たすと、夏の地方大会ではレギュラーとしてチームトップとなる5割超の打率をマーク。甲子園出場に大きく貢献した。さらにバッティングだけでなく、守備においても独自のスタイルを確立。利き手である右手につけたグローブでボールをキャッチすると、素早くグローブを外して右手で送球。そしてきのうの試合でもスーパーキャッチで観客を沸かせた。高校最後の夏、頂点まで残すはあと2勝。