トランプ関税について。伊藤忠総研の高橋尚太郎氏が解説する。高橋氏は「アメリカにとって貿易赤字が多い国や地域について合意をまとめてきたという印象。インドやブラジル、カナダは交渉は難航しているが、アメリカの貿易赤字ではそれほど大きなところではないため、トランプ政権としては投資の喚起などの決着をつけられたのは大きい」などと話した。世界経済への影響については「確実性が低減した。ビジネスとしてもやりやすい環境になってきた。これは米国にとっても同じ」など話した。トランプ政権は関税で年間3000億ドルの税収を見込んでいると見られる。高橋氏は「重要な財源ということで、なかなか関税を取りやめることができない状況に入っている」などとした。一方でアメリカではインフレへの懸念が高まっている。インフレ率が上がると利下げもやりづらいが、トランプ氏としては利下げの圧力を高めていく方針。トランプ関税をめぐっては連邦控訴裁判所で裁判が行われている。相互関税の根拠としていた国際緊急経済権限法について、国家の危機なのか・取引の制限が関税の負荷にあたるのかといったことが争われている。いずれも地方裁では違法とされていて、控訴裁でも争われ、違法となる可能性もある。米中についてはまだ関税交渉も続いているが、アメリカとしてはやや後手に回っている印象。