能登半島地震でのDMATの活動と直面した課題について考える。能登半島地震では甚大な被害のある地域の孤立、高齢化率の地域の被災が本質的な課題となった。発災直後、最大の問題となったのは被害のある集落の孤立で、患者が医療機関にたどりつかない状態だった。DMATはアクセス困難な避難所を可視化、緊急医療ニーズを確認するなどした。施設避難においてはスポーツ公園内に設置した「いっとき待機ステーション」も有効に機能した。緊急避難搬送が終了した後は、能登の医療福祉施設の存続を支援するなどした。今回の災害は甚大な被害のある地域の孤立が課題となり、大量資源投入はかえって有害となるため優先順位をつけた対応が必要だった。また、高齢化率の高い地域の被災では、遠距離避難は悲劇を招くこともある。高齢化社会・人口減少社会での災害という視点は重要となる。