能登半島地震の発生からきょうで5か月。大きな被害が出た半島の先端、珠洲市の今を取材した。111人が亡くなり、7038棟の住宅に被害が出た珠洲市は大きな爪痕が残ったまま。市内では今も1076戸で断水が続いている。山あいの地区では水道が使えない人への支援を続ける人もいる。地震の直後から全国から寄せられた洗濯機を自宅の前に設置し、自由に洗濯できるようにしている。能登地方では業者が限られるため水道の修理が追いついていないという。一方、ライフライン以外の課題も見えた。訪ねたのは能登半島の先端にある老舗旅館。ランプの宿・刀禰秀一社長「もともとは湯治場で、昨年で444年目だった」。創業は1579年、天正7年とされ長年人気を集めてきたこの宿。日本海を望む絶景を優雅に楽しめるとして国内外から年間およそ1万人が訪れてきた。今回の地震では建物に大きな被害はなかったが、現在も休業が続いている。スタッフの中には市外や県外で生活する人も多く、営業再開のめどは立っていない。先が見通せない中、刀禰社長は今できることからやろうと、新たな取り組みを始めようとしている。宿泊の再開は難しくても、夏をめどに旅館の見学ツアーを始めることを考えていて、取り組みを続けながらスタッフの帰りを待つことにしている。